高校2年生の夏、バンクーバーへのホームステイで偶然訪れたUBCのキャンパスに魅了され、UBCへの留学を決意した田野稜人さん。

現在はブリティッシュコロンビア大学(UBC)のバンテージプログラムに在籍し、サイエンスを専攻されています。

今回のインタビューでは、リアルなUBC留学生活について、あらゆる観点から率直にお話しいただきました。

Ubc Vancouver Campus

UBC バンクーバーキャンパス

UBCを選んだ理由|一度の訪問が人生を変えた

留学のきっかけは、高校2年生の夏休みに遡ります。バンクーバーに住む知人のもとへ1週間のホームステイに出かけた際、高校の課題でオープンキャンパスの見学が必要になりました。

たまたま近くでUBCのオープンキャンパスが開催されていたことを知り、足を運んでみたのがきっかけだったと言います。

「日本の大学と比べても、とにかく広くて綺麗で。設備も大きく、最新のものが揃っていて、それに惹かれ興味を持ちました。調べたら自分でも入れるとわかって、チャレンジしてみようと思いました」

UBC以外の大学と迷った時期はなく、最初からUBC一択で動かれていたとのことです。また、実際に見たことがあるという安心感も決断の後押しになったそうです。

バンテージプログラムの実態

UBCのバンテージプログラムは、英語を第一言語としない学生を対象とした特別プログラムです。

少人数クラスで丁寧に学べる環境が特徴とされていますが、実際に入学して驚いたのはそのクラスの顔ぶれだったと言います。

「バンテージ全体で言うと99%の生徒は中国人です。このコースでは日本人は僕を含めて3人しかいなく、他は中国人留学生です」

入学セレモニーで「世界110の国・地域から何千人もの留学生が集まっている」と紹介されていたこともあり、もっとグローバルな環境を想像されていました。ところが実際の教室では、アジア人(特に中国人)が多いので、中国語がよく飛び交っているそうです。

「もっとグローバルな環境を想像していたので、最初はかなりびっくりしました」と、当初の印象を伝えてくださいました。

一方で、バンテージの少人数クラス(物理・コンピューターサイエンス)については高く評価されています。

「先生とのコミュニケーションも取りやすいし、グループで話し合いながら授業を受ける形式なので、学びやすいです。毎回出席も記録されるので、クラスの出席率も明らかに高い」

バンテージ外の方も受講する大人数クラスになると、出席が成績に影響しないこともあり、数週間もすると3分の1ほどしか来ない授業もあるそうです。

それについては「日本の大学とあまり変わらない印象ですね」と日本と同じような点についても触れていました。

キャンパスライフのリアル

Ubc Vancouver Building

UBCバンクーバーキャンパスの図書館

綺麗なキャンパスと学生数のギャップ

UBCのキャンパスは広大で美しいです。中央にある「NEST(ネスト)」と呼ばれる建物はとても綺麗で、ランチを食べたり自習したりすることもあると話してくださいました。

しかし、入学前の期待との間に大きなギャップも感じていると言及されました。

「全学生数が4万人を超えているので、とにかく密度がすごい。広いと思っていた道が、渋谷のスクランブル交差点くらい混んでいる時があって。綺麗な図書館も自習スペースはあるけど全部埋まっていて、なかなか使えないです」

自習は基本的に自室か、寮にある自習スペースを活用されているそうです。

Ubc Classroom

UBC バンクーバーキャンパスの授業風景

多様性

キャンパスには、授業や学習以外の楽しみもあります。アジアに限らず世界30カ国以上の文化を体験できるサークルが活動しており、日本文化や剣道のサークルも存在していると言います。

「明らかに日本語の掛け声が聞こえてくるんですよ。見てみたら大きな木の下でチャンバラしていて(笑)。意外と日本文化って人気があるんだなと感じました」

豊富な行事

祝日には、大学でも多く人を集めた行事が催されているとのことです。ただテスト期間でイベントの情報を知らずにいると、大勢の人がイベント用の格好をしていることに驚くような場面もあったそうです。

バンクーバーでの生活|治安・食・オフの過ごし方

治安

大学周辺の治安は概ね良好です。ただし、ダウンタウンや電車の駅付近では注意が必要な場面もあるとのことです。

「大学はダウンタウンから離れているので、キャンパス周辺は安心です。でも駅の近くに行くと、ちょっと怖い場面はありますね。マリファナの匂いがきつい人とすれ違ったり。普通の住宅街で過ごす分には問題ないです」

ハロウィンなど大きなイベント時には警察が出動するほど盛り上がる一方、そのような場面でのトラブルには注意が必要だといいます。

食生活

日本の食材や調味料は手軽に手に入りやすく、UBCのすぐ近くにもアジア系スーパーがあるため、学校帰りに買い物をすることもあるそうです。自炊派の田野稜人さんにとって、これは心強い環境といえます。

「日本料理に使う調味料も普通に揃うので、自炊生活は思ったより不便ではなかったです。いろんな国の食材も手に入るので、グローバルな食環境だなと感じましたね」

豊かな自然

Ubc Vancouver Street View

UBC バンクーバー キャンパス内の自然風景

また、バンクーバーならではの「自然の豊かさ」も強く印象に残っていると言います。

夏は日照時間が長く、最高の天気が続くバンクーバー。ある日、川でボートに乗る際に、驚きの光景に遭遇します。

「5メートルくらいある巨大なチョウザメが跳ねていて、本当に驚きました。一生バンクーバーに住んでいても見られないくらいレアな光景だったらしくて、すごくラッキーでした」

他にも、野生のアシカを目撃したり、近くにシャチが現れたというニュースが流れてきたりと、日常の中に自然が溶け込んでいることがうかがえます。

また、一歩キャンパスの中に目を向ければ、ゴミ箱をあさる野生のリスの姿が日常茶飯事で見られるなど、日本では味わえない動物たちとの距離の近さも、カナダ生活ならではといえます。

授業以外の時間

授業以外の時間は、課題がかなり多いため、ほとんど勉強にあてていると言います。

課題が少ない時には、勉強がてら、洋画を字幕付けたり消したりしながら鑑賞することも。

また友人宅でご飯を一緒に食べたり、お酒を飲んだりして過ごすこともあるそうです。

住居探し

最も苦労されたのが、2年目の住居確保だそうです。

1年目は大学の寮に入居され、2年目以降も継続して寮に入居する予定だったそうですが、希望者が多すぎるため難しいようです。

早めに申し込もうと、授業が始まる前には応募されたにもかかわらず、ウェイティングリストの順番もかなり厳しそうとのことです。

「先輩たちから噂は聞いていたので早めに動いたんですけど、それでも全然ダメで。来年も入れるか、正直怪しいなという状況です」

最終的に部屋はコンパクトだが、風呂・トイレ・キッチン付きで、UBCからバスで15分ほどの好立地の良い物件を見つけられたと言います。

「バンクーバーの家賃相場は本当に高くて、僕が今住んでいるところでも月1,200ドル(約13万円)くらいが普通の相場です。たまたま安いところを見つけられたんですが、家探しの運は使い切った感がありますね(笑)」

卒業後の展望

現時点でのキャリアの目標についても、お話いただきました。

「まずは大学院に進学して、研究活動を続けることが第一の目標です。就職はあまり考えていないですね」

2年目以降の専攻選択では、大学院進学コースを第一希望として申請済み。UBCの大学院に進み、研究を深めていく意向を持たれています。

「大学院に行くのが前提みたいな雰囲気もあるので、今のところはそのつもりで動いています。大学院より先のことはまだあまり考えていないかな、という感じです」

Ubc Vancouver Cherryblossoms Street View

UBC バンクーバーキャンパス内の桜並木

UBC・カナダ留学を目指す方々へ

最後に、UBC進学やカナダ留学を勧めるかどうかについてお答えくださいました。

「おすすめはします。特に理系の分野に興味がある人には。UBCにはサイクロトロンなど最先端の設備が充実しているので。でも、それなりにきつい面もあるので、具体的な目標があって、学費の高さなどを覚悟できる人でないと、続けるのは難しいと思います」

さらに、こう付け加えてくださいました。

「特にやりたいこともないけど行ってみようかな、という気持ちで来ると、後悔するかもしれない。自分も若干そういう部分があったので。目的が明確でないなら、日本の大学を選ぶのも十分ありだと思います」

最後に、これから海外留学を目指す方々へのメッセージもいただきました。

「自分の知らない文化や土地で過ごすことは、結構きついことも多いです。でも、カナダに住んでみて選択肢がすごく広がったのを感じるし、この経験は将来きっと大きく生きてくると思うので、興味があるならチャレンジするのは大事だと思います。頑張ってください」

おわりに

今回のインタビューを通じて伝わってきたのは、華やかなイメージとは一線を画すような、等身大の留学生活でした。

インタビュー内で言及されていたように、留学前と後ではいろいろな点でギャップを感じられていた印象です。

田野さんから、これから留学を目指す方へ向けられた言葉は、実際に異国の地で直面した壁と向き合い、日々課題に追われながらも自分の足で立っている方だからこそ、重みのあるアドバイスだと感じました。

最後になりますが、学業でお忙しいスケジュールの中、これから海外を目指す日本の学生の方々のために、貴重な体験談を共有してくださった田野稜人さんに、心より感謝申し上げます。

田野さんのUBCでのこれからの研究活動、そして素晴らしいキャリアをスタッフ一同応援しております!