「ケンブリッジ大学の医学部に進みたい」「世界最高峰の医学教育を受けるには何が必要?」──そんな高い志を持つ日本人受験生・保護者の方に向けて、ケンブリッジ大学医学部の全貌を徹底解説します。
ケンブリッジ大学医学部はイギリス国内ランキング第1位(Complete University Guide 2026)を誇り、世界最高峰の医学教育機関のひとつです。日本の高校卒業資格だけでは出願できないなど、準備の道筋は複雑ですが、正しい情報と早めの準備があれば夢ではありません。
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この記事でわかること
ケンブリッジ大学医学部の特徴・カリキュラム・世界ランキングでの評価
日本人が出願するために必要な学力要件・英語要件・試験・面接の詳細
日本の高校からの出願方法、A-Level・IBの取得ルートと準備スケジュール
ケンブリッジ大学医学部とは?世界最高峰の医学教育
ケンブリッジ大学医学部の基本情報・特徴
ケンブリッジ大学(University of Cambridge) の医学部は、1787年に正式に設立された歴史ある医学教育機関です。イギリスで初めて医学の教育を公式に認定した大学としても知られており、800年以上の歴史の中でノーベル賞受賞者を含む世界的な医学者・研究者を多数輩出してきました。
学位の名称はMB, BChir(Bachelor of Medicine, Bachelor of Surgery) で、修了まで6年間かかります。前半3年間で医科学の基礎を徹底的に学び、後半3年間でアデンブルック病院(Cambridge University Hospitals NHS Foundation Trust)などでの臨床実習に取り組みます。
ケンブリッジ大学最大の特徴はカレッジ制 です。29ある学部制カレッジのいずれかに所属して生活・学習を行い、週複数回の少人数個別指導「スーパービジョン」を受けられます。この少人数教育が、ケンブリッジの医学教育の質を世界トップレベルに保っている大きな要因のひとつです(出典:ケンブリッジ大学公式サイト )。
世界・イギリス国内でのランキング・評価
ケンブリッジ大学医学部は、国内外の大学ランキングで常にトップを争っています。
ランキング
順位
Complete University Guide 2026(イギリス国内・医学)
第1位
The Guardian University Guide 2026(イギリス国内・医学)
第5位
Times Higher Education世界大学ランキング2026(医学分野)
世界第2位
※出典:Complete University Guide 2026、The Guardian University Guide 2026、Times Higher Education World University Rankings 2026
世界の医学部の中でも最上位に位置するケンブリッジ医学部の卒業資格は、イギリス・オーストラリア・シンガポールをはじめ英語圏の多くの国で医師資格として認められており、国際的なキャリアを築きたい方にとっても最高の出発点となります。
医学部のカリキュラム構成(前期・後期臨床課程)
ケンブリッジ医学部の6年間のカリキュラムは、大きく「前期課程(1〜3年次)」と「後期臨床課程(4〜6年次)」に分かれています(出典:ケンブリッジ大学公式サイト )。
1〜2年次(前期医科学) :人体の構造・生理学・分子生物学・薬理学・神経生物学など、医学の科学的基盤を集中的に学びます。全身解剖実習(cadaver dissection)を行える数少ない医学部のひとつとしても知られています。
3年次(専門研究・インターカレーション) :医学系に限らず、自然科学・人類学・歴史学・哲学など幅広い分野から1つを選んで専門的に研究します。この年に取得した学位でBA(Hons)が授与されます。
4〜6年次(臨床課程) :ケンブリッジ・バイオメディカル・キャンパスを中心に、アデンブルック病院・GP(一般診療所)・イースト・オブ・イングランドの地域病院で臨床実習を行います。4年次は基本的な臨床診療、5年次は専門診療、6年次は応用臨床診療にフォーカスします。
6年間の課程を修了することで、MB, BChir(医学士・外科学士)が授与されます。卒業後は英国医師総会(GMC)への仮登録を経て、ファウンデーション・プログラム(初期研修)2年間を経て正式なGMC登録医師となります。
ケンブリッジ大学医学部の難易度・偏差値はどのくらい?
合格率・競争倍率
ケンブリッジ大学医学部の競争倍率は1席に対して約6名が出願 (2025年入学サイクル)と、イギリス国内でも最高水準の難関校です(出典:ケンブリッジ大学公式サイト )。
2025年入学サイクルのデータでは、1,791件の出願に対して288件のオファー(合格) が出されており、オファー率は約16%です。合格するのはその年の出願者の上位16%という計算になります(出典:TheUKCATPeople)。
さらに注意すべきは、海外(インターナショナル)学生に割り当てられる定員が年間わずか22名 という点です(出典:ケンブリッジ大学公式サイト)。日本人を含む国際学生同士でこの22席を競うことになるため、実質的な競争倍率は全体の数字よりもはるかに高くなります。
日本の偏差値に換算するとどのくらい?
ケンブリッジ大学医学部の難易度を日本の偏差値に換算した場合、東京大学医学部・京都大学医学部と同等かそれ以上、偏差値75〜80以上 のレベルに相当します。
ただし、ケンブリッジの選考は単純な学力試験の点数だけで決まるわけではありません。学力(A-Level・IB成績)・適性試験(UCAT)・面接の総合評価で合否が決まるため、突出した学力と同時に知的好奇心・コミュニケーション能力・医師を目指す明確な動機が問われます。
日本の医学部との比較
比較項目
ケンブリッジ大学医学部
日本の国立大学医学部(東大・京大等)
修業年数
6年間
6年間
学位
MB, BChir(+BA取得)
医学士
授業言語
英語
日本語
入学試験
A-Level/IB+UCAT+面接
共通テスト+二次試験
国際学生定員
年間22名
一般枠で外国籍受験可(大学による)
学費(年間・国際学生)
約£70,554(約1,340万円)+カレッジ費
約535,800円(国立大学標準額)
※学費は目安です。最新の学費は各大学の公式サイトでご確認ください。為替レートにより変動します。
入学条件・出願要件
学力要件(A-Level・IB)
ケンブリッジ大学医学部への出願に必要な学力要件は以下のとおりです(出典:ケンブリッジ大学公式サイト )。
A-Level(Aレベル)の場合 :最低ラインはA*A*A。必須科目は化学(Chemistry) で、加えて生物(Biology)・物理(Physics)・数学(Mathematics)のうち1〜2科目が必要です(カレッジによって異なります)。実際の合格者の82%がA*A*A*以上を取得しています。
IB(国際バカロレア)の場合 :最低ラインは41〜42点(45点満点)、HigherLevel(HL)で776以上。化学HLは必須で、生物・物理・数学のいずれかHL受講が推奨されます。実際の合格者の多くが44点以上・HL777以上を取得しています。
重要:日本の高校卒業資格(高卒・大学入学共通テスト)だけでは出願資格を満たしません。 日本人がケンブリッジ医学部に出願するには、必ずA-LevelまたはIBの取得が必要です。
英語力要件(IELTS等)
英語を母国語としない国からの出願者には、英語力の証明が必要です。一般的な目安は以下のとおりです。
IELTS Academic :総合7.5以上、各セクション(Reading/Writing/Listening/Speaking)でそれぞれ7.0以上
TOEFL iBT :110以上(目安)
医学部という性質上、英語力の要件は他の学部よりも高く設定されています。IELTS 7.5は非常にハイレベルな要求であり、日本人受験生にとって英語力の習得は最重要課題のひとつです。最新の英語要件は必ずケンブリッジ大学公式サイト(国際学生向け入学要件) でご確認ください。
UCAT試験について
ケンブリッジ大学医学部への出願には、UCAT(University Clinical Aptitude Test) の受験が必須です。UCATは2024年入学サイクルよりBMAT(生物医学適性試験)に代わって導入されました。
UCATは5つのセクションで構成されています。
Verbal Reasoning (言語推理)
Decision Making (意思決定)
Quantitative Reasoning (定量的推理)
Abstract Reasoning (抽象推理)
Situational Judgement (状況判断)※ケンブリッジはこのセクションを評価に使用しません
ケンブリッジでは全体の認知サブテストスコアを面接選考・オファーの判断に使用します。ほとんどのカレッジでは2,650点以上(3,600点満点)が実質的な基準とされており、トリニティ・ゴンヴィル&カイウス・クライスツなど競争が激しいカレッジでは2,750点以上が求められる傾向があります(出典:MedicHut)。試験は毎年6〜9月に実施され、登録は5月に開始されます。
面接(カレッジ面接)について
出願者の多くが12月にカレッジでの面接に招待されます。ケンブリッジの面接は、知識を試すというよりも科学的な思考プロセス・論理的な議論の展開・知的好奇心・医師としての資質 を評価するものです。
面接形式はカレッジによって異なりますが、一般的に1〜2回の面接が行われ、見知らぬ問題について口頭で考えを展開させるスタイルが中心です。「なぜ医師になりたいのか」「この医学的なシナリオをどう分析するか」といった質問が典型的です。
また、出願にあたってはUCASの「個人陳述(Personal Statement)」に代わり、2025年以降はUCASが導入した新形式(テーマ別の短い質問に答える形式)が用いられます。医学を志望する動機・関連する経験・医師という職業への理解を明確に伝えることが重要です。
日本人がケンブリッジ医学部に合格するための準備
いつから・何を準備すればよいか
ケンブリッジ医学部への出願準備は、日本の中学生〜高校1年生の段階から始めることが理想的 です。以下に目安となるスケジュールを示します。
時期
やるべきこと
中学生〜高校1年生
英語力の基盤づくり・IB校またはA-Level取得機関の選定・医療現場での体験(シャドウイング・ボランティア等)の開始
高校2〜3年生(IBまたはA-Level取得期間)
IB・A-Levelで最高水準の成績を維持・IELTSスコアの取得(7.5以上)・UCATの対策・医療体験の継続
出願年の5〜9月
UCATの登録・受験(6〜9月)・UCASの出願準備・Personal Statement(UCAS質問票)の作成
出願年の10月15日
UCASの出願締め切り (オックスフォード・ケンブリッジ等の締切は通常10月15日)
12月
カレッジ面接(通常12月に実施)
翌年1〜3月
合否通知・最終A-Level・IB試験(5〜6月)
また、医師を目指す姿勢を示すための医療現場での実体験(ワークエクスペリエンス) が強く推奨されています。病院・クリニック・介護施設でのボランティアや観察実習など、医療・社会福祉の現場に実際に身を置いた経験が、UCASの質問票や面接で重要視されます(出典:ケンブリッジ大学公式サイト)。
日本の高校からの出願は可能か
日本の高校卒業資格(高卒)のみでは、ケンブリッジ大学への出願資格を満たしません。 ケンブリッジ大学が認める学力証明として、A-Level・IB(国際バカロレア)・AP(Advanced Placement、5科目以上)などが挙げられています。
日本でIBを取得できる学校(IB認定校)は年々増えており、2026年時点で国内に100校以上存在します。一方でA-Levelの取得機会はまだ限られており、海外のA-Level校に留学するか、オンラインでA-Levelを取得する方法が現実的な選択肢となっています。
なお、オックスフォード大学とケンブリッジ大学は同一年度に両方への出願はできません (UCASのルールによる)。どちらを志望するか、早い段階で判断する必要があります。
A-Level取得・IBの選択について
日本人がケンブリッジ医学部を目指すために取得できる主な学力証明の特徴を以下にまとめます。
IB(国際バカロレア・DP) :日本国内のIB認定校で取得可能。医学部を目指す場合はHL(Higher Level)で化学・生物・数学を選択し、総合40〜42点以上、HL776以上を目指す。日本国内での取得機会が最も多い。
A-Level(Aレベル) :イギリスの大学進学者向けの資格。日本国内でも一部の国際学校・オンライン校で取得可能。化学・生物・数学の3科目でA*A*Aを目標とする。イギリスのA-Level校(寄宿学校など)に留学して取得する方法も有効。
いずれの場合も、ケンブリッジ医学部合格者の成績水準は極めて高く、取得するだけでなく最高水準の成績を維持すること が求められます。
学費・奨学金情報
学費の目安
ケンブリッジ大学医学部の学費は、国際学生(インターナショナル)にとってイギリス国内の医学部の中で最高水準です。
授業料(年間) :約£70,554(約1,340万円)※2026/27年度。年度によって変動します。
カレッジ費(年間) :約£11,500〜£14,950(カレッジによって異なります)
生活費(年間) :約£12,000〜£15,000(約230〜280万円)が目安
6年間の総費用は、授業料・カレッジ費・生活費を合計すると1億円規模 になることも珍しくありません。国際学生はイギリス政府の学費ローンやNHSバーサリーを利用できないため、自己負担または奨学金の確保が前提となります。最新の学費は必ずケンブリッジ大学公式サイト(国際学生向け学費ページ) でご確認ください。
日本人が使える奨学金
ケンブリッジ大学の学部課程(学士課程)向けの奨学金は、大学院と比べて数が限られています。しかし以下の奨学金は日本人学部生も応募資格がある場合があります。
Cambridge Trust(ケンブリッジ・トラスト) :ケンブリッジ大学が提供する奨学金。部分的な学費支援が中心です。
篠原欣子記念財団 海外留学奨学金 :イギリス・アメリカ・カナダへの学位取得留学を対象に最大2,000万円(年間500万円上限・最長4年)を給付。成績制限なし・所得制限あり(出典:ガクシー )。
JASSO 海外留学支援制度(学部学位取得型) :月額約35万円が支給される日本学生支援機構の奨学金。採用人数は限られます(出典:JASSO公式サイト )。
奨学金は早めの情報収集が肝心です。募集時期を逃すと1年待つことになるため、留学準備と並行して情報収集を始めましょう。国内の奨学金情報をまとめたガクシー(gaxi.jp) での検索もおすすめです。
ケンブリッジ大学医学部卒業後のキャリア
ケンブリッジ医学部を卒業すると、英国医師総会(GMC)への仮登録資格を得られます。その後2年間のファウンデーション・プログラム(初期研修)を経て正式にGMC登録医師となり、専門研修(Specialty Training)へと進むことができます。
MB, BChirの学位はイギリスをはじめ、オーストラリア・カナダ・シンガポール・香港など英語圏の多くの国で認められており、国際的なキャリアの選択肢 が大きく広がります。また、学術・研究の道を目指す場合は、在学中に取得できるMB/PhDプログラム (医学博士と研究博士を同時に取得するコース)も設けられており、臨床医と研究者の両方を目指すことも可能です。
日本人として卒業後に帰国して医師として働くことも可能ですが、日本の医師国家試験(医師法に基づく外国医師免許の承認審査)に合格する必要があります。詳しくは厚生労働省の公式情報をご参照ください。
Expert View
“ケンブリッジ大学医学部の最大の魅力は、単なる知識の暗記にとどまらない『科学者としての思考力』を養う教育体制にあります。週数回の少人数指導『スーパービジョン』では、世界トップクラスの研究者を前に自分の言葉で論理を構築する力が求められます。6年間のハードルは決して低くありませんが、ここで得る学びと人脈は、世界中の医療・研究現場で活躍するための生涯の財産となります。『世界最高峰で医師を目指したい』という強い意志を持つ方に、私たちは全力で伴走します。 ” – Yoshiyuki Suzuki, Counsellor, StudyIn .
StudyInのイギリス大学出願サポートについて
StudyIn(gostudyin.com )では、ケンブリッジ大学をはじめとするイギリストップ大学への出願を検討している方への一貫したサポートを提供しています。IB・A-Levelの選択から、UCAT対策・UCASの出願書類準備・面接練習まで、経験豊富なカウンセラーとネイティブスタッフが丁寧にサポートします。
「ケンブリッジ医学部を目指したいが、何から始めればよいかわからない」「自分にとって最適な準備ルートを知りたい」という段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。奨学金に関する情報提供やビザ申請のサポートも行っています。
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よくある質問(FAQ)
ケンブリッジ大学医学部の入学難易度はどのくらいですか?
イギリス国内最難関の医学部のひとつで、国際学生向けの定員はわずか年間22名です。2025年入学サイクルのオファー率は約16%(全出願者中)で、日本の偏差値に換算すると東大・京大医学部と同等かそれ以上のレベルとされています。学力だけでなく、UCAT試験・面接・医療体験の総合評価で合否が決まります。
日本の高校からケンブリッジ大学医学部に出願できますか?
日本の高校卒業資格(高卒)のみでは出願資格を満たしません。A-Level(Aレベル)またはIB(国際バカロレア)の取得が必要です。日本国内のIB認定校での取得、または海外のA-Level校への留学・オンラインでのA-Level取得が主なルートとなります。
ケンブリッジ大学医学部の学費はどのくらいかかりますか?
国際学生の授業料は年間約£70,554(約1,340万円)で、イギリス国内の医学部の中で最高水準です(2026/27年度)。これにカレッジ費(年間約£11,500〜£14,950)・生活費が加わります。6年間の総費用は1億円規模になることもあります。最新の学費はケンブリッジ大学公式サイト でご確認ください。
UCAT試験とはどのような試験ですか?いつ受験すればよいですか?
UCATは医学部・歯学部志望者を対象とした適性試験で、言語推理・意思決定・定量的推理・抽象推理・状況判断の5セクションで構成されています。ケンブリッジでは状況判断セクション以外の認知サブテストスコアを使用します。毎年7〜9月に実施され、登録は5月頃に開始されます。対策には最低3ヶ月以上を確保することが推奨されています。
ケンブリッジ大学医学部を卒業後、日本で医師として働けますか?
可能です。ただし、日本の医師国家試験に合格する必要があります。ケンブリッジのMB, BChir取得者は、厚生労働省への外国医師免許の承認申請を経て医師国家試験の受験資格を取得できます。詳細は厚生労働省の公式情報でご確認ください。